選択するための基礎知識と
種類が膨大で選ぶのに困る、ペット見守りカメラの選択・購入のポイントを解説します。なるべく平易に説明してますが、専門用語を、数か所使っています。サイト内の説明ページやネット検索で補ってください。一読いただければおおまかに、 ペット見守りカメラの傾向をつかめると思います。
防犯カメラも見守りカメラに出来る
実は、防犯カメラもペット・介護・赤ちゃんの見守りに使えます。基本の機能的には大差ない機種がほとんどです。大きく違うのは防犯カメラの場合、レンズ位置固定機種が多いことでしょう。決まった空間を常時監視するためレンズを動かす必要がないからです。
中国製が幅を利かしているペット見守りカメラに対し、防犯カメラは、国内メーカ品が多く導入されています。やはりセキュリティを考えると国内メーカーに行き着くのでしょう。
デメリットとしては、やはり価格が高い、複数カメラのセット販売が多い、設定やアプリが多少知識のある方向け(業務用なので)
当サイトでは、介護用・赤ちゃん見守り用には防犯カメラメーカーを主に紹介しています。
(パナソニックや塚本無線も元は防犯カメラメーカーですが)
光回線のIPv6に注意
解説に少し専門用語が出るので、なるべく簡略化して説明します。
インターネットに接続するには、住所となるIDが要ります。このIDをIPアドレスと言い、現在はIP(lnternetProtocol)バージョ ン(IPv4と表記)で割り振られ規格が設定されています。
この IPv4は、43億個のIPアドレスがありますが、今は足りなくなってきています。 また混雑しているので通信速度の低下が起こっています。
そこで回線業者のほとんどは、無料のオプションで IPv6という新規格のプランを出してきています。
テレワーク開始時などに、インターネット接続の高速化を図り、 IPv6オプション契約に変えているオフィスや家庭があります。
現在販売されている見守りカメラは、「基本的にグローバルIP アドレス(IPv4)、またはIPv6を用いたIPv4が付与されるインターネット接続環境が要る」とされています。(パナソニック公式ページ)
つまり IPv6オンリーの接続では見守りカメラはほぼ使えません。「IPv4 over IPv6」という技術を使っており、IPv6を用いたIPv4環境なのが、ほとんどなのであまり問題ではないですが、相性やルーターにアクセスする必要が発生することがあります。
見守りカメラは2.4Ghz帯を使うのが普通
見守りカメラ=ネットワークカメラであるのは別ページに書きました。 見守りカメラ を使うにはインターネット環境(高速光回線推奨)が必要です。また有線LANコードで接続できるカメラもありますが、多くはWi-Fi接続です。LANとは何かはこちら
Wi-Fi接続の見守りカメラは、現状では、ほぼ例外なく(今後新製品ででるかも)Wi-Fi2.4Ghz帯を使う仕様です。
Wi-Fiとは2.4Ghz帯とはなんだ?という方はこちらをご覧ください。無線LANとは
非常に簡単な表とおさらいをすると
2.4GHz | 5GHz | |
特徴 | 電波干渉しやすい | 電波干渉されにくい |
到達 | 障害物に強く遠くまで届く | 障害物に弱い |
2.4GHz帯の周波数は、無線LANの普及期から使われているもので、古いWi-Fiルーターでも必ず使える周波数です。 5GHz帯の周波数は、10年ほど前から本格的に使われはじめました。
おおまかに言うと、電波の到達範囲が広めなのと、どのルーターでも使える点で 2.4GHz帯の電波を使っているわけです。また、こなれた技術であり、部品も安いことも一因と思われます。
知っておいていただきたいのは、電波干渉する( Wi-Fiが途切れる、つながらない)機器が多いことです。家庭内によくあるのは、電子レンジ、コードレス電話、IHクッキングヒーターなどが当てはまります。
これらの機器のそばには、見守りカメラやWi-Fiルーターを置かないようにしましょう。
Wi-Fiルーターの注意点 SSID、暗号化キーは20文字以内!
Wi-Fi(無線LAN)接続時に使用するSSID、暗号化キーはWi-Fiルーター本体に、普通シール等で記載されています。そのまま使われている場合が多いでしょう。
変更されている場合、多くの見守りカメラで 暗号化キー(パスワード)は20文字以内である必要があります。また5GHz帯のSSIDを選ぶと接続出来ません。
また少しでもセキュリティを高めるにはSSID、暗号化キーとも変更したほうがより強固になります。
設定変更方法は、 Wi-Fiルーターのメーカーサイトに必ず記載されています。
見守りカメラ購入時のWi-Fiルーターとスマホ、見守りカメラの接続設定は同一のLAN内でないと、設定出来ません。
複数のWi-Fiルーターを使い、二重ルーターの状態に知らず知らずのうちになっている一戸建ての家庭が存在します。片方のルーター機能を切って1台だけの Wi-Fiルーターで接続すると設定できます。
また 二重ルーターの状態だと外出先からアクセスできない時が多いようです。(メッシュWi-Fiも不安定)
モバイルWi-Fiルーターも不安定
ポケットWi-FiやWiMAXなどの商品名で知られるモバイル Wi-Fiルーターは、接続が不安定という理由で非推奨または使用不可の見守りカメラがほとんどです。 モバイル Wi-Fiは時間帯により込み合うので、接続が不安定(途切れる)ことが多いためと思われます。
モバイル Wi-Fi ルーターは使ってみないと分からないとしか言いようがないのが本音です。
ホームルーターも微妙
ホームルーターと呼ばれる、スマホと同じモバイル回線(3G・4GLTE・5G)を使う機器が、いくつか出てきました。コンセントさえあれば、光回線のように工事をしたり、端末(ONU)を接続しなくてもインターネット環境を構築出来るので普及の兆しが見えます。
ホームルーターで見守りカメラを運用するのは、時期尚早と言えます。モバイル回線も時間帯により込み合っているため接続が不安定になる時があるためです。5Gの基地局が全国をカバーすれば状況が変わるかもしれないのと、見守りカメラ側が2.4GHzと5GHzの両方使えるWi-Fi6に、対応した時には
高速で安定した通信が可能になります。(念のため、5G回線と5GHz帯は全く別物です)
つまり結論的には、見守りカメラを使うには光回線とハイパワーなWi-Fiルーターの組み合わせがベストと言うことです。 可能であれば(本体にポートがあれば)有線LAN接続にすると安定した見守りが出来ます。
パソコンで確認できる機種は少数派
スマートフォンで見守りカメラ画像を確認できるのだから、見守りカメラは全てパソコンでも見えると勘違いしている方が非常に多いように感じます。
大半の見守りカメラでは、パソコンからはアクセスできません。パソコン用のソフトウェアが用意されていないからです。少数のカメラでソフトウェアが用意されています。(ソフトウェア開発・維持に費用がかかるので致し方ない)さらにMac用のパソコン閲覧ソフトウェアはほとんどありません。(世界的にMacの使用率は非常に低いので、これも採算が取れない)
ブラウザ上でカメラの画像を見る機能がある機器が存在します。この場合はWindowsでもMacでも閲覧可能です。これは、見守りカメラのデータをサーバー(データの置き場)に一度置いて、そのデータをWEBから見る機能で実現しています。
要注意なのは、このサーバーでの閲覧には、多くの中国系メーカーがサーバーの月度使用料を700円~1,500円ほど徴収することです。さらにひどいのは、 サーバー使用の契約をしないとカメラそのものが使えないメーカーがあるようです。
カメラの画素数に惑わされないで
見守りカメラのキャッチフレーズに、高解像度400万画素や500万画素などを強調した機種があります。確かに500万画素などの高画素機種は 静止画を撮影 ・デジタルズームの時にメリットがあります 。ただし動画となると良い面ばかりではありません。
フルハイビジョンの画質はテレビのBS放送を始めとして、色んなところで目にしているのでお判りでしょう。(地デジはハイビジョン)このフルハイビジョンの画質は、横1920px縦1080pxの画素で約200万画素です。 表示させるスマートフォンやPCのモニターの画素数が200万画素であれば500万画素のデータの動画を再生しても画面のきめ細かさは200万画素の時と変わりません。
また画素数だけが画質の良さには、つながりません。レンズの性能、内部画像処理技術などが大きく影響します。(注、回線の状態により自動で画素を間引きする機種もあるので常に最高画質で見えるわけではありません)
さらに画素数が多いデータは、容量(サイズ)が4倍とか8倍になります。現実には圧縮技術により2倍とかの容量に収まりますが、それでも回線状況によってはコマ落ちや、画質低下が起きますし、スマホ側のギガ容量も圧迫します。
結論として、現状では見守りカメラの画素数は、200万画素あれば十分、高画質静止画を撮りたいなら高画質機を選ぶ価値はあります。
低性能マイクロSDカードは使わないで
多くの見守りカメラでマイクロSDカードを入れて動画を保存できます。 このマイクロSDカードは、ほとんど別売りです。 たまたま手元にあった物や、家電系量販店で投げ売りして入る物を使うと書き込み速度が遅く、動画記録が停止してしまうことがあります。
動画記録用マイクロSDカードを選ぶときのポイントを簡略に書いておきます。
1、カードの表面かスペック表(性能表)に「V10」以上の表示がある物を選ぶことです。価格と性能のバランスでV30表記のものがお勧めです。(V60~V90はオーバースペックで価格が高い)
2、信頼できるメーカー・販売業者の物を選ぶことです。たとえばSDカードで有名なサンディスク社の製品は偽物が大量に出回っており、見た目では判別できません。(海外発送業者は避けたいものです。本物であれば サンディスク社の製品は素晴らしいと言えます。)
推奨品(運営者の)は、下記のトランセンド製品です。国内メーカーということで比較的信頼性と価格のバランスが取れています。
カメラのレンズ画角と動く範囲をチェック
ペット用と明記のある見守りカメラの場合あまり気にする必要はありませんが、カメラによっては、撮影出来る画角が広すぎる物があります。写真は180度撮影できるPLANEX社の 防犯カメラ スマカメ2です。超広角なので、ペットなど小型の被写体の見守りには向きません。(スマカメシリーズには一般的な画角のカメラも各種販売しています。)
なお PLANEX社 はネットワーク製品で定評のある会社です。
PLANEX 防犯カメラ スマカメ2 180 CS-QS11-180レンズの動く範囲を確認
レンズが上下左右に動くカメラは、レンズ部が球体をしています。まれに上下だけ動く機種(球体ではない)や、給餌(えさやり)機能付きカメラ、防犯カメラは、ほとんどレンズ固定式です。 決まった場所しか見えない録画できません。
レンズが上下左右に動くカメラ でもメーカー・機種により動く範囲が微妙に違いがあります。特にレンズ部が球体で無い機種はわずかし動きません。お使いになる用途・環境に合わせていただく必要があります。
おまけの注意事項
床面の熱に注意
見守りカメラには、CPU(中央演算素子・小型のコンピューター)という部品が内蔵されています。ノートパソコンなどと同じで動作させると熱を持ちます。 見守りカメラの構造上底面にCPUが配置されており、静音動作のため、冷やすためのファンは無いことがほとんどです。熱で影響を受ける、場所には設置しないようにしましょう。
設置場所についてもう一点、ペット特に猫ちゃんは、自在に高いところに登れます。カメラの動きに反応して遊ぼうとする可能性があり、単なる据え置きでは転倒する危険性があります。ネジで固定するかブラケットを使って壁や天井に固定すると良いでしょう。(ブラケットは400円くらいから販売されている)