何が書いてあるのかさっぱり分からない方へ
Wi-Fiルーターを筆頭として、ネットワーク関連機器の箱や、カタログには、たくさんの専門用語が書いてあり、「さっぱりわからん」と思われている方も多いでしょう。このページでは知っておいたらWi-Fiルーター製品選択の参考になる事項を、なるべく簡単に説明します。(量販店頭販売員の口車に乗って、無駄な出費をすることも防げるかも?)
通信規格は、とりあえずWi-Fi5(11ac)でOK
無線LANの投稿でも説明していますが、 Wi-Fiルーターの性能の目安となるのは通信の規格です。
多くのメーカでは、11ac、11axなどと表記してあり、最近はWi-Fi5(11ac)、 Wi-Fi6(11ax)の表記も増えてきました。Wi-Fi6(11ax)と記載されている物のが最新です。ただし接続する 無線LAN端末 側が、対応していないと使えません。 Wi-Fiルーターは下位互換性、(11ac機は11nでも接続可能)がとられているので、必ずしもWi-Fi6(11ax)の機器を選ぶ必要はありません。価格がこなれた Wi-Fi5(11ac) 機で当面は十分と思います。広めの事務所や2階家の場合は、アンテナの性能が高い機種「ほぼWi-Fi6(11ax) 機」を選ぶ価値はあります。下記は運営者が独断でコストパフォーマンスが高いと思う Wi-Fi5(11ac) 機種です。
WPSとは?
【WPS】(Wi-Fi Protected Setup)とは、無線ルーターと、無線LAN端末(スマホ、タブレット、パソコン、ネットワークカメラなど)とを、ボタン1つで簡単に設定するための仕組み(規格)です。(写真右側にある赤いところがWPSボタンです)
この仕組みによりSSIDの選択や暗号化キーの入力が不要で接続できます。
WPSの名称はメーカーにより異なる
少し、ややこしいのは、 WPSの名称はメーカーにより違いがあります。
BUFFALO社製ルーター(AirStationシリーズ)は【AOSSボタン】がWPSボタンを兼ねています。
( AOSSは BUFFALO社の独自規格ですが、これが元になってWPS規格が出来ました)
NEC社製ルーター(Atermシリーズ)は、【らくらくスタートボタン】の名称です。
その他、【簡単接続ボタン】 などと呼ぶメーカーもあります。
最近は、より簡単なQRコードによる接続方式も出てきました。
SSIDと暗号化キー
ルーターの化粧箱に書いてあることはありませんが、 SSIDと暗号化キーは本体のどこかに張ってあるシールに記載されています。
SSIDとはネットワークの名前(ID)です。暗号化キーはパスワードと思えばわかりやすいでしょう。
このSSIDと暗号化キーは、自分で変更できます。なおSSIDを非表示にしたりすることも可能です。作業にはルーターの設定画面にアクセスする必要があります。
写真にはプライマリSSIDだけ記載があります。機種によってはセカンダリSSIDが書いてある場合があります。セカンダリSSIDはゲーム機などの接続に使われ、セキュリティレベルは低いので普通は使わないことがお勧めです。( セキュリティレベル 変更も可能な機種が多い)
「ビームフォーミング」と「MU-MIMO」「OFDMA」
ビームフォーミングとは、Wi-Fi電波を複数アンテナで特定の方向に送受信する技術です。Wi-Fiルーターと無線LAN端末で通信を行う際の電波強度を高められ、安定した通信が可能になります。
ただし、ビームフォーミングを使うには、Wi-Fiルーター側だけでなく、 無線LAN端末側(スマートフォンやPC、タブレット)も対応していなければなりません。(現在は、ほとんど対応している)
MU-MIMO
関連してMIMO(マイモ、Multi Input Multi Output )という技術があります。 高級Wi-Fiルーターには複数のアンテナが内蔵されており、この複数のアンテナを使い通信する技術です。
よく、道路の1車線より2車線の方が車の通行量が多くなるのに例えられます。 MIMOには一台の端末とだけ通信するSU-MIMOと、複数のデバイスが同時にMIMOで通信できる「MU-MIMO(Multi User MIMO)」があり一般的には MU-MIMO です。注意点は、 Wi-Fi5(11ac) では下り(ダウンリンク)のみで Wi-Fi6(11ax)で上りも(アップリンク)も含め通信が可能になりました。
結論的にいうと、やや高いWi-Fiルーター「 Wi-Fi6(11ax) 機」に採用されている技術で、複数端末でも安定した通信が出来ます。ただし MU-MIMOもルーター、端末両方対応していないと機能しません。
OFDMA
このOFDMAもWi-Fi6(11ax) 機のみ搭載している技術です。通信帯域を使い「 OFDMA =直交周波数分割多元接続」により、1つのアクセスポイントに複数の端末が同時接続したときでも安定した通信を可能にする方式です。 MU-MIMOがアンテナに関わる技術で、 OFDMAが電波の周波数を使う技術と理解しておけばよいでしょう。 OFDMA もルーター、端末両方対応していないと機能しません。
IPv6とPPPoE&IPoE
IPv6やIPoEサービスなどの用語がよく目にするようになりました。まず「IPv4」「IPv6」の違いからです。
「IPv4」「IPv6」の最初のIPは、Internet Protocol(インターネットプロトコル)の略語でインターネット通信の規格・手順をさします。vはバージョンを指します。
インターネットに接続している端末(スマホ・PC等)には、IPアドレスという固有の番号が割り当てられ識別番号として使われています。このIPアドレスをつかさどる規格 「IPv4」「IPv6」 です。
IPv4では約46億個までIPアドレスを割り当て可能ですが、アドレスが足らなくなり 「IPv6」が制定され、ほぼ無限のアドレスを使うことが可能になりました。現在 IPv4からIPv6へ徐々に移行中です。
なおIPv6は高速かつセキュリティが高い規格です。
PPPoEとは、電話線でインターネットに接続していた時の規格、PPP(Point to Point Protocol)をADSL接続でも使えるようにした規格です。光回線でも使われています。ネットワーク終端装置が必ず要ります。
IPoEは「IP over Ethernet」の略で、プロバイダー経由(回線)直接インターネットに接続できます。
ネットワーク終端装置は要りません。(通信速度低下が起こりにくい)
PPPoEとIPv4、IPoEとIPv6はセットで提供されています。高速通信・安定接続LANを求めるなら IPoEとIPv6になります。ただし、ネットワークカメラなどは現在IPv4接続でないと通信出来ません。
そこでIPv6環境でもIPv4の利用ができる「IPv4 over IPv6」というサービス、機能がでてきました。
サービスというのはプロバイダーが用意している機能で、ルーター側も対応している必要があります。
まとめ、 高速で安定したIPv6環境を構築するには、光回線、プロバイダー、ルーターとも対応している必要があります。 ネットワークカメラを接続するには、 「IPv4 over IPv6」サービスが必須になります。(大手プロバイダーは対応している)
とりあえず、主要な用語は説明したつもりです。かなり省略した記述です。まだまだ難解な用語は、あると思います。キリがないのでこの辺りで止めておきます。